2015年5月31日日曜日

20150530の小笠原諸島西方沖地震と20110311の東日本大震災をツイートで比較してみる

昨日(2015/05/30)、小笠原諸島で地震が発生し、広い範囲で大きな揺れが観測されました。

 昨日の地震をTwitter上のツイートで見てみます。(TwitterStreamingAPIのsample.jsonのデータを使います)
 東日本大震災と比較するのですが、まず頻度のグラフ(10分間隔)を見てみましょう。

 地震発生直後に、「地震」「揺れ」がバースト(急激に立ち上がり)し、その後「震度」「東京」「小笠原諸島」が増加しています。
 これは、地震の際のツイートのパターンで、まず第一報的なツイートが増加し、その後に各種情報(震度や震源など)がツイートされています。
 東日本大震災や20150206の徳島での地震でも同じパターンが確認できます。

小笠原諸島西方沖地震(2015/05/30) ツイート頻度
小笠原諸島西方沖地震(2015/05/30) ツイート頻度

 大きな揺れが広範囲に広がったこともあり、大量の「地震」ツイートが発生しています。
 しかし、急速に減衰していく様子が見て取れます。大きな被害がなかったことを反映しているようです。

東日本大震災(2011/03/11) ツイート頻度
東日本大震災(2011/03/11) ツイート頻度

 一方、東日本大震災では、減衰は非常に遅くなっています。
 これは、被害状況が明らかになるにつれて追加の情報などが出てきたことや、余震の発生などによるものです。



 さて、上記の二つのグラフを比較すると、今回の地震のほうが初期「地震」バーストでのツイート数が多くなっています。
 これは、一見、今回の地震がより注目されているかのように感じられます。しかし、Twitterユーザ数が大幅に増えツイート総数も増えていることを考慮しなければなりません。

 10分間隔毎の日本語ツイート総数で除した値でグラフを取り直すと次のようになります。

小笠原諸島西方沖地震(2015/05/30) ツイート割合
小笠原諸島西方沖地震(2015/05/30) ツイート割合
 頻度グラフでは気がつきませんでしたが、翌日の明け方に余震があったのでしょうか?小さなバーストが出ています。

東日本大震災(2011/03/11) ツイート割合
東日本大震災(2011/03/11) ツイート割合

 一方、東日本大震災では、「地震」の初期バーストはもっと大きく、さらにその後の減衰も遙かに遅いことが分かります。

 あくまでも、状況の事後分析という立場から判断すると、2015/05/30の地震はその後にさほど大きな影響を与えていないようです。